第三大臼歯を、一般的に「親しらず(智歯)」と呼びます。
最近のお子様達は、よく噛まなくてもよい、ハンバーグ・カレーライス・スパゲティ・うどん等を召し上がる機会が多いと思います。そのため、顎が発育せずに、大人になってから生えてくる「8番」と呼ばれる一番奥の歯が、真っ直ぐに生えてきません。埋まっていたり(埋伏智歯)、横向いていたり(水平埋伏智歯)している方がほとんどです。

この埋伏智歯は、顎の骨の中でじっとしててくれれば、何の問題もありません。「寝た子を起こすな」的発想で、顎に埋まった地雷のような感じで、そっと置いておけばいいのです。
が・・・
むくむくと起き上がってきたり、前の歯を押してきたりすると、炎症や痛みが出て、当院に来院されます。
この場合は、症状が表れてから、抜歯になる場合がほとんどです。

ところが・・・
日常は何の症状も無いけれど、
なんとなく顎周囲が、じわっと腫れぼったい感じということで来られて、パノラマレントゲン撮影をすると、
水平埋伏智歯の周囲に、風船のような袋(嚢胞)の画像が見られます。
これを、「含歯性嚢胞」(がんしせいのうほう)と言います。

本日も、昨日も、初診で来られ、レントゲンを撮って発見されました。
基本的に、含歯性嚢胞を手術して取ればいいのですが、嚢胞が大きな場合は、病院をご紹介し入院していただくことになります。
日常的に症状が無くても、歯科検診時にレントゲン撮影をして、顎の様子も確認しておくことは重要です。
やはり、きちんと数ヶ月~半年毎の検診を欠かさずしていただくのが、より良い予防歯科ですね。
by 江上一郎
ここ数日、「口腔がん」「舌がん」を心配されて来院される患者さんが急増。
①口内炎のような「白い点」があるが、なかなか治らない。
②舌全体が白く、舌の横側が擦れて赤くなっており、痛む。
③舌先に赤いブツブツができており、治りにくい。
④歯の下の骨のところに、プツッと穴が開いているが、痛くもない。
⑤口唇上下と舌裏側がちくちく痛む
等の症状のある方々です。

①の方は、昨年末から白いのができて、全く治らないので、もしや・・・と思って来院。
「親知らずですよ~」
レントゲン写真を診てみると、親知らずが奥からちょこっと顔をのぞかせていただけでした。
もう、患者さんを交えて、診療所内は爆笑の渦♪♪


②の方は、仕事終わりに必死になって駆けつけられました。
口腔カンジダ症かもしれないと自己判断されていました。
来られたら、舌苔も全体についていましたが、舌の横は擦り傷がありました。
それよりも、口腔内清掃がきちんとできておらず、歯垢がいっぱいついて歯肉炎症のほうがひどかったです。
③の方は、少しストレスで、唾液分泌が悪く、舌先が赤くなって荒れていました。
口腔内清掃と歯石除去をして、日常的には「水」をたっぷり飲むようにお伝えしました。
④の方は、口内炎でもなんでもなく、唾液腺の出口でした。
⑤の方は、免疫力低下による肌荒れのような感じで、口唇も荒れていて、舌裏はまさしく口内炎。
皆さん、ほんまに「がん」でなくて良かったですね~。
患者さんも、ホッと安心して帰られましたよ。
by 江上浩子
毎日のように、「冷たいものや熱いものが沁みる」とか「歯が痛くて噛めない」と言って、来院される患者さん。
たった1本でも、痛かったら、ご飯を食べるたびに疼いて、美味しく食べられませんね。

小さな虫歯の場合は、ほんの少し、虫歯になって脱灰した部分を削って、詰めたり、金属を埋めたりすればいいのですが・・・
歯の神経に届くような、大きな虫歯の場合は、削るのも痛いので麻酔をし、さらに大きな虫歯の場合は、歯の神経を抜き取ってしまいます。

日常的に、麻酔下で歯の神経を取ることが多いのですが、
先日、左下大臼歯の神経を抜き取った時、普通の2倍位の太さの神経が出てきました。
「うわぁ~、大根みたい!!」と思わず、叫んでしまいました。

若い女性なので、歯に栄養を運ぶために、神経も太いのは当たり前なのですが、こんなに太い神経を見たのは、私も初めてです。
これぞ、ほんま物の「図太い神経」です(笑)。
皆さんも、歯の神経を取らなくてもいいように、早めに検診して治療なさってくださいね。
by 江上理絵